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対応状況(要望書(下十二町:十二町潟水郷公園「アド小屋」の修復・活用について))

要望の概要と対応状況 対応履歴
件名
十二町潟水郷公園「アド小屋」の修復・活用について
要望概要
 つきましては、十二町潟水郷公園(地図)に復元・展示してある「アド小屋」の修復・活用について、下記のとおり要望いたします。
 
 現在、水郷公園内の横断橋横に設置されたアド小屋は、経年劣化が著しく、かなり傷んでいます。このまま放置するのもいかかがなものかと心配するところです。そこで、この地域の財産であるアド小屋を修復し、現在の展示型を体験型に変えて、地元で1カ月に1回程度、アド漁を行って運用していくことを提案します。
 
 十二町潟の伝統漁法・アド漁は、昭和40年代までアド小屋1棟で漁をしてきたとされています。当時を知る人はほとんどいなくなっていますが、かつての十二町潟を語るうえで外すことができない風景の一つです。
 
 そのアド漁は、全国で「四つ網漁」と呼ばれて一般的に広く行われてきた伝統漁法です。ところが、十二町潟ではアド漁の名称で定着していますが、ここに意義があります。水底が少し深く、魚が集まってくる網処(あみどころ)を略して「アド」と称し、そこに小屋を建てて漁をしたとされ、往時の江戸時代には10棟近くが潟に点在し、十二町潟の特徴ある景観を形成していたことが推測されます。
 
 その意味では将来的には、アド小屋を4、5棟ほどに増やし、十二町潟の原風景に近づけるのが最も良いと思われます。それは眠っている過去の資産を活用し手未来につなげる取り組みで、全国でも類を見ない十二町潟固有の景観を再生して地域おこしへ導くものです。今回のアド小屋の修復、活用は、その第一歩です。
 
 アド小屋を見て鑑賞する展示型から体験型にする理由は、大きく二つあります。一つは、生活・文化財のあり方として、眺めて鑑賞する用途から、使って体験する方向に変化していることです
実際に体験するほうが、見て楽しむより満足度や理解度が深まります。情報量がそれだけ多くなるわけで、車を例にとると分かりやすいと思います。車は見るだけよりも乗ってみたほうが、よく理解でき、さらに自分で運転して使ってみると、もっと詳しく知ることができます。アド小屋も同じことです。

 もう一つの理由は、模造品よりもオリジナルに接したほうが、説得力があり、いろいろな波及効果があるからです。イギリスの建築家が設計した「十二町横断橋」は、今では水郷公園に欠かせないシンボルになっています。ここを訪れた人は、おそらく十二町潟とともに末長く橋も心に残るはずです。その横断橋のデザインは、アド小屋に触発されて設計したと言われています。建築家が見たアド小屋は、昭和40年代の十二町潟に現存したオリジナルのアド小屋の写真だと思われ、それに触発されてデザインに取り入れたと推測できます。当時の不鮮明な写真資料からでも、オリジナルのアド小屋が放つオーラは、国や文化の違いを超えて、痛いほどよく伝わってきたのでしょう。その結果、時間の流れに色あせない十二町潟横断橋という傑作を生みだすことに成功したわけです。このようにオリジナルには人に触発し、訴えかけてくるものがあります。オリジナルにこだわるのも、そこに理由があります。

 よってアド小屋もせっかく修復するなら模造品ではなく、見る人をさまざまに触発するオリジナルにしたいというところです。現在あるアド小屋を直し、実際に使ってオリジナルのアド小屋再生、よみがえらせるわけです。絶滅して途絶えたアド漁の復活ですが、アド漁はどのようなものであったか、今となっては詳しい資料なども残っていないと思います。それだからこそまた別の意味で、幻のアド漁を復活させる価値があると考えます。

 いずれにしても、毎月1回程度、下十二町自治会によるアド小屋を使ったアド漁の操業は、十二町潟水郷公園に新たな魅力をもたらします。そして、この取り組みはSDGsにも合致し、氷見市の文化・観光資源にもなります。よろしくご検討をお願いいたします。
担当課
農林畜産課
対応状況
要望受付
R05/04/10    地域振興課
要望を受け付けました。

要望詳細
受付年度 R05年度
枝番 R05-006-001
提出者名 下十二町自治会長
提出書類 (7)十二町潟水郷公園「アド小屋」の復活・活用 (PDF形式 : 288KB)
主担当 農林畜産課